企業内コーチング

僕はコーチングというスキルを使って、クランアントにコーチングを
行なっていますが、最近はほとんど表立ってクライアントの募集は
していませんでした。
でも、僕にはあるきっかけから１年程前からコーチとして関わっている
女性がいます。
 
彼女は、ある企業の一般事務のＯＬさんです。
文章を書くともとの文章が見えないほど赤ペンで、すべてその上司の表現に
書き直され、アイディアを出すといかにそのアイディアが実現不可能なものかを
その上司の長い時間、横に立たされたまま説かれていました。

そのうち次第に、彼女は『言われたことだけをただするだけの従業員』へと
変わっていきました。
 
そんな彼女が、先日部内の成果報告発表会たるものに出場したというのです。
２０名を超える参加者の中、彼女はたったひとりでパワーポイントを駆使して
資料を作りプレゼンをやったそうです。もちろん全くはじめての経験です。
ここは１年間の仕事の成果を発表する場です。一年前の彼女は本当にやる気も
無くこのような場所に立っていること自体が不思議なくらいです。

その結果、彼女は最優秀賞(グランプリ)を受賞したそうなのです。
周りはもちろん。彼女も驚いたそうです。

でも、僕はその資料つくりの際もコーチングを行い、彼女がこれまで一年間
やってきたことを伝えることができるならこの結果は当然だろうと
思っていたからです。
 
彼女は、年間で１０００時間以上の時間効率化のアイディアを出し、そして
それらをすべて実現しました。
それらの作り出した彼女の一年間のアイディア件数は昨年までの１０倍以上と
なりました。
 
たった一年でこれだけの劇的な変化を遂げた彼女ですが。
別にコーチングといっても、彼女に魔法をかけたわけでも、裏技を伝授した
訳でもありません。
 
今日は、せっかくですからその秘訣を教えましょう。
あなたのチームにこのような人がいるなら、その人が望むなら
是非あなたがその人のコーチとなってあげて欲しいと思います。
 
 
 
僕がコーチとして彼女にやったことはたった２つ。
『承認』と『見せること』です。
 
 
彼女の想いや考え方への評価、否定、意見を一切せずに
ひたすらに承認しました。
徹底的に認めるのです。
これまで、彼女はアイディアをことごとく否定され、
次第にアイディアではなく自分自身が否定されているような感覚となり
自分の価値、そして自信も失いかけていました。
 
誉めたり、おだてるのではなくただ認める。
彼女の存在、いまあなたはそういう風に思っているんだということを
ただ承認することをひたすら続けたのです。
 
するとだんだんと自分の殻から抜け出てくるのです。
ここは安全な場所なんだ。
ここでは自分の想いを言ってもいい場所なんだ。
って言う風に段々とひとりでに変わってくるのです。
 
そして、小さな行動をする上でどんな小さな些細なことでも
関係なく、その結果を意識して彼女に見せるようにしたり
伝えるようにしました。
 
『この前作った○○で△△が便利になったね』と声をかけたり、
やった結果を見えるようにリストにして貼り出したり。
小さい実績だろうがそれが積み重なっていくと、
『私はこれだけやったんだ』『私がやったことでみんなにこんな影響を
与えることが出来たんだ』と思えるようになってくるのです。
 
 
これだけなんです。
これをひたすら繰り返しただけなんです。
その人を認め、出た結果を見せる。感じてもらう。
 
どうですか？
これならカンタンでしょう？
 
人ってね、難しい能力をつけるよりも、すでにその人が持っている
能力を発揮するだけですごい結果を導くことが出来るんです。
 
 
だから僕は言うんです、リーダーには
『ここは自分を必要としてくれている場所なんだ』
『ここではアイディアを出してもいいんだ』という
安全な環境を創って欲しいと。
 
 
アレコレ教えたり指導するだけがリーダーではないのです。
環境を整えることができる重要な役割をもっているのが
リーダーなんですね。
是非お願いしますね。