一流ホテルとはそもそも、どういうホテルを指すのでしょうか。
海外ではかなり分類がはっきりしています。
星の数を1個から5個までつけて分類する方法は一番有名です。
アメリカの場合は、6段階でグレードを表示する場合もあります。
日本の民宿価格の「バジェット」、ビジネスホテルクラスの「エコノミー」、
高級ビジネスホテルは「ロウアー・ミドル」、ヒルトンやシェラトンといった有名チェーンは「アッパー・ミドル」、
高級シティホテルクラスの「ラグジュアリー」、超高級ホテルが「スーパー・ラグジュアリー」です。
日本でも、専門家が選ぶベストホテルや、専門誌による人気ホテルランキングなどがあるにはありますが、
いまひとつ一般利用者にはそのランク付けが普及していません。
古くは、迎賓館でサービスや料理を担当することが、一流ホテルの条件、ともいわれた時代がありました。
オークラ、ニューオータニ、帝国がいわゆる一流ホテルの御三家といわれたのは、そういう背景があります。
しかし、その後、赤坂プリンスホテルも迎賓館に進出、御三家の線引きも今は昔です。
また日本特有の現象のようですが、宴会場やレストランなど、ホテル本来の機能とは別のところで人気、
というホテルもあるため、宴会場は一流ですが客室はビジネスホテル並み、
などというところまであります。
どこまでが一流ホテルなのでしょうか。明確な定義は存在しません。
しかし、実際にホテルに足を運んでみると、そこには歴然とグレードの差があるのです。
設備、スタッフ、雰囲気、テナント、すべてが混然となって、
そのホテルの格式を作り上げているのです。
定義はなくとも一流ホテルという概念は確かに存在するのです。