高級ホテルですごすリッチな時間

シティホテルの味の醍醐味をもとめるのなら、ドレスアップしてそのホテルのメインダイニングに
一度は足を運びましょう。
各ホテルが世界中からこれぞというシェフを雇い入れて、「当ホテルの味」と胸を張るのは、
テナントとして入っているレストランではなく、ホテル直営のメインダイニングだからです。

素材もシェフも選りすぐりがそろったメインダイニング。
コース料理が多く値段も万単位ですが、一度は訪れて欲しいものです。

もし予算に限りがあるなら、ランチのコースがおすすめです。
昼ならひとり１万円でお釣りがきます。 席に案内されたら、まず雰囲気を楽しみましょう。
メインダイニングは、ホテルにとってロビーの次にディスプレイに凝る場所です。

例えば東京のホテルオークラのメインダイニングは、たくさんのミュシャの絵で、
フランスのアールヌーボーの雰囲気を漂わせています。

大阪のザ・リッツ・カールトン大阪は、ホテル全体のインテリアを１８世紀の英国貴族の館を
彷彿させるジョージアンスタイルで統一させており、全館に１８、１９世紀のヨーロッパ絵画４５０点が
飾られています。

ダイニングルームのラ・ベにも７点ほどの絵画がありますが、中でもとりわけ目を引くのが
「優雅なドレスを着た淑女の肖像」という１点です。

作者不詳、１９世紀中ごろのイギリスのものだといいますが、描かれている身分の高そうな女性の
憂いの表情がミステリアスで、彼女の人生にどんなドラマがあったのかと想像せずにはいられません。