ソニー、PS3の「セル」生産撤退 東芝に売却へ
ソニーが、ゲーム機のプレイステーション3(PS3)の心臓部に使う「セル」など最先端半導体の生産から事実上撤退し、その製造設備はセルを共同開発した東芝に来春にも売却する方向で交渉していることがわかった。売却額は1000億円程度とみられる。ソニーはセルの新たな用途に展望が持てず、多額の生産投資を回収しきれないと判断した。
ソニーが売却するのは半導体子会社ソニーセミコンダクタ九州の長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)にあるシステムLSI(大規模集積回路)の製造設備。スーパーコンピューター並みの性能とされるセルのほか、ゲーム機用の画像処理LSIなどの設備も含まれる。
東芝がこれらを買い取り、ソニーと共同出資する新会社で借りて生産する案が有力で、実質的に東芝がソニーへの供給元となる。半導体国内最大手の東芝はシステムLSI事業の強化を狙う。
ソニーは、東芝、米IBMと共同開発したセルに対し、06年度までの3年間で約2000億円を投じたが、次世代の線幅45ナノメートル(ナノは10億分の1)の用途がゲーム機以外に開けていない状態だ。ソニーは、セルの開発を続けるが、自前で部品生産までを手がける体制を見直し、次世代テレビなど映像・音響機器に力を入れる。半導体設備投資は、デジタルカメラなどの「目」として需要が見込まれるCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーなどに重点を置く。